新会長からのご挨拶
会長 大滝 則忠
1944年 川西町玉庭 生まれ
前国立国会図書館長(第15代)
元東京農業大学教授(図書館情報学)
このたびは、米沢有為会のホームページにアクセスしていただき、 有り難うございます。このホームページでは、 米沢有為会に関する多様な情報を発信していますが、 今後ともますます進展するデジタル情報流通社会にあって、 その内容の充実に取り組むことが重要です。 ただいま段階的に一層分かり易い内容とするように見直し中で、追々、 その成果もご覧いただけます。お気づきの点について、ご忌憚なく、 ご教示いただくことができれば幸甚です。
米沢有為会は、山形県南部、置賜(おきたま)地方の3市5町の郷土若人のための育英団体です。 社会に有為な人材の育成を目的として活動し、その歴史は1889(明治22)年に遡り、 来る2019年には創立130周年の節目を迎えます。
そもそもは新しい国づくりの明治時代に在京した旧米沢上杉藩域からの同郷学生の集いから始まりましたが、 発足直後から全国の同郷同志の連携に広がり、徐々に郷土若人のための育英団体として整備されました。 学生寄宿舎「興譲館寮」をまず1909(明治42)年に東京に、次いで1914(大正3)年に仙台にそれぞれ開設、 また、1911(明治44)年に奨学金貸与制度を始めました。爾来、この学生寮と奨学金を育英事業の2本柱として維持発展させて、 今日に至っています。この間、戦時下の空襲で学生寮が焼失するなど、苦難の時期もありましたが、幾多の先人の尽力のお蔭で、 育英団体として社会に役立つ歴史を重ねることができていることを、 まことに有り難く存じます。
一方、創立以来、会員間の交流として、各種の会合のほか、 特に刊行物を通じた交流も盛んで、戦前の月刊『米沢有為会雑誌』、 戦後の年刊『米沢有為会会誌』等の各誌上に多くの記録が伝えられていますが、 この伝統は今も引き継がれています。平成期に入ってからは、 新たに我妻榮記念館を運営するなど、 地域振興及び文化振興の活動にも取り組んできました。
米沢有為会の良き伝統として、郷土愛を基盤にしながら、 郷土若人に対する育英事業を中心に、 地域振興及び文化振興に資する活動を展開すると同時に、 会員相互が率直な交流を通じて切磋琢磨する雰囲気を持続していることがあります。 その雰囲気の中から、国の内外に雄飛する、また地域に定着する、 多様に活躍する多くの有為な人材を育成する実績を重ねてきました。 このような活動には、ますますグローバル化する社会にあっても、 強い期待が引き続いて寄せられていると感じています。
このたび本年6月の定時総会に議を経て、 この歴史ある米沢有為会の第15代会長に就任させていただきました。 同時に発足した新体制の理事会では、 創立130周年を間近に迎える節目の時期の米沢有為会のビジョン及び活動計画についての検討を始め、 会員の皆様からのご意見もいただきながら、 今後の方向性を共有して進むべく取り組んでおります。育英事業はじめ、 様々な活動の内容を今日的に見直し、今後の活動の重点を明確にして進む必要があります。 2013(平成25)年に認定された公益社団法人としての法的な立場を最大限に発揮することも課題です。
むすびに、米沢有為会の活動は、今後とも置賜3市5町を郷土として共にしている同志を中心に、 社会の各分野でご活躍の多様な方々を会員としてお迎えすることにより、 刺激が多い交流の場として一層活発になることを期待します。 郷土に何らかのご縁がある方々はもとより、 広く会の主旨にご賛同いただける方々に会員としてご参画いただきたくご案内申し上げる次第です。